季節の自家製。レアドライトマトのオイル漬けで、夏のふだんごはん。
「マンションサイズの自家製」を銘打って、季節の食材を使った仕込みものをお届けしてきた本連載。
秋はさつまいもでジャムを作ったり、
冬は大根をだし醤油で漬けたり、
春は新キャベツをまるごと使って浅漬けにしたり。
そして夏。強い日差しがさんさんと降り注ぐ今の時季、だからこそ。せっかくならば、憧れの「あれ」を、どうしてもやってみたくなりました。
ずばり、干し野菜です。
そこで登場、料理家のminokamoさん。「まかせて!」と、にかっと弾ける笑顔でご提案いただいたのは、レアドライトマトのオイル漬けでした。
「うまみがぎゅっと凝縮して、おいしくいただけるのはもちろん、レアにすることでしっかりと果肉感もあって、柔らかいんです」
ただ、マンションで挑戦するにはいささか心配なのが
「天日干し、果たしてうまく行くだろうか」
「作っても、ちゃんと使い切れるだろうか」
もちろん、そんなお悩みごとを先回りし、minokamoさんに考えていただきましたよ。
では、さっそくどうぞ!
レアドライトマト オイル漬けのつくり方
まずご用意いただくのは、小さなトマト。
と、ひとことで言っても、プチトマトやミニトマトと呼称もさまざまあるように、今やいろんなサイズが売られていますよね。
あと「ベランダで育てています!」というあなた、できあがりの大きさ、まちまちだったりしませんか?
左は一粒が約10g、右は20gと、およそ倍。
「また保存容器の大きさも、おうちによってきっといろいろ。なのでレシピの分量も、あえて厳密に決めないようにしようと思います」
大丈夫かな?と不安にならなくてもOK。minokamoさんが、きちんと導いてくださいますから。
まずは、トマトを半分に切ります。
「まん丸だといいのですが、少し縦に長いトマトの場合、断面ができるだけ広くなるように、切り方を工夫してみてください」
全部切れたらざるに移し、いざ陽のあたる場所へ。晴れた日なら、1日ほどそのまま置いておきます。
あらかじめ一片の重さを量っておき、おおよそ1/4の重さになるまで干します。「皮のはしが内側に少ししぼんで、表面を指で触っても水分が全くつかないくらい、乾いている状態が目安です」
ちなみに干しざるがなければ、代わりにバットでもOK。「この際、買っちゃおうかしら、となっても、もちろんOKです」
また天気の具合やおうちの事情で、「どうしても干すのが難しい」という場合。そこは思い煩わず、文明の利器、オーブンを使ってください。
130℃に熱したオーブンで80分。
「コツは火を止めたあともオーブンに入れたままにし、冷めるまで30分ほど置いておくといいと思います」
そして瓶に入れたら、上からオリーブオイルをたっぷりと投入。
ここでの大切なポイントは、トマトがひたひたに隠れるまで注ぐこと。「顔を出すとカビが生えていたむ原因になるので。箸などを使って押し込んでもいいかもしれません」
レアドライトマトのオイル漬け
[材料](つくりやすい量)
- ミニトマト※
- 400g〜550g
- オリーブ油
- 約70g〜150g(トマトが隠れるまで)
- 酢
- 大さじ1〜2
※1粒10gだと40〜50粒、1粒20gだと20〜30粒が目安
作り方
- ① ミニトマトを半分にカットする。
- ② ざるに移し、天日干しする。晴天時だと1日、重量はおおよそ1/4になるまで干す。 (オーブンで作る場合)
- ③ オーブンシートをひいたオーブントレーに、カット面を上にして置く。130度に熱したオーブンで80分加熱したら、その後、30分そのままオーブンに入れておく。その後、取り出して冷めるまで置いておく。
- ④ ②のトマトを瓶に入れ、ミニトマトが隠れるまでオリーブ油を注ぐ。酢を入れて出来上がり。
ふだんのごはんに大活用。
さて、お待ちかねのアレンジレシピです。
ドライトマトといえば、ついパスタなどのイタリアンに走りがち、ですが。「ちょっと待った!」とminokamoさんが呼び止めます。「それだけじゃなく、いつも作ってる夏の定番メニューに、じゃんじゃん活かしてあげたいですよね」
そんなそんな、うれしいことを。夏の定番といえば、そうめん?冷奴?はい、そのどちらにも使える「きゅうりと薬味のドライトマトだれ」の作り方です。
きゅうりと薬味のドライトマトだれ
[材料](2人分)
- 椎茸だし(袋を破って)
- 1袋
- オリーブ油
- 大さじ3
- レアドライトマト
- 20片(10粒分)
- きゅうり
- 2本
- みょうが
- 1個
- うす口醤油
- 大さじ2
- 塩
- 2つまみ
作り方
- ① きゅうりは薄く輪切りにしてボウルに入れ、塩2つまみを入れて混ぜ、10分ほどおく。みょうがは輪切りにする。
- ② 水分を絞ったきゅうりと、残りの全ての材料をボウルに入れて混ぜる。
「普通のお醤油でもよいですが、うす口だと色がきれいに仕上がりますよ」とminokamoさん。
そうめんに。
記載通りに茹でて水でしめ、ザルにあげる。器に盛り、きゅうりと薬味のドライトマトだれをのせたら出来上がり。
たっぷり茹でておいて、好きなだけたれをかけて、食べて。ざっくばらんに出せるわりに「格好がつく」のは、その色どりのよさかもしれません。
豆腐にかけても。
こちらもぐっと食べ応えが出て、ごちそう感がアップします。時間がないとき、作る気がしないときの“お助けおつまみ”として、もってこいです。
さらにちょっと手間をかければ、こんなにも魅惑的すぎるメニューに大変身!
主役は焼きなす。
おいしい(そしてお値打ち)なすの季節です。用意があるご家庭は、ぜひ焼き網を使って焼いてくださいね。こうするだけで、魚グリルより時間は短く、こうばしさだって、ほんとてきめんに違いますから。
焼きなす
[材料](2〜3人分)
- 茄子(小)
- 3本
作り方
- ① 茄子は太い部分に竹串を数カ所刺しておく。ガクの葉先は除く。
- ② ガスコンロの上に網を置き、中火で時々返しながら皮が一部黒くなり竹串がすっと通るまで焼く。目安で5分ほど。※魚グリルで焼く場合、強火で15分ほど焼く。
- ③ 粗熱がとれたらヘタを除き、皮をむき食べやすい大きさにさく。
そして、ドライトマトマリネ。
ドライトマトマリネ
[材料](2〜3人分)
- レアドライトマト
- 20片(10粒分)
- 野菜だし(袋を破って)
- 1袋
- オリーブ油
- 大さじ3
- 酢
- 小さじ2
- 玉ねぎ
- 1/4個
作り方
- ① 玉ねぎをみじん切りにする。
- ② すべての材料を入れ、混ぜるとできあがり。
焼きなすとドライトマトマリネの組み合わせは、とろとろとした食感がうれしく、あとからあとから追いかけてくるうまみも幸せで、これぞ絶品!の美味しさなのでした。
「あとドライトマトマリネは白身魚の刺身にもよく合いますので、ぜひ試してみてください」
シメのごはんは、ドライトマトのピラフ。
ドライトマトのピラフ
[材料](お米2合分)
- [材料](お米2合分)
- 20片(10粒分)
- 米
- 2合
- むき海老
- 150g
- 人参
- 1/2本
- 海老だし(袋を破って)
- 1袋
- 塩
- 小さじ2/3
- 酒
- 大さじ1
- 水
- 380ml
- 漬け込んだオリーブ油
- 小さじ2
- パセリ
- 適量(なくても可)
作り方
- ① むき海老はボウルに入れ、日本酒を混ぜておく。人参は皮がついたままみじん切りにし、といだお米は炊飯器に入れる。
- ② むき海老は水分を切り、お米の上にパセリ以外の材料をすべて入れて炊飯器で炊く。炊き上がったらさっくりと混ぜる。仕上げにパセリをかけて出来上がり。
「炊き上がったお米を混ぜるときはドライトマトを少しよけておいて、最後に混ぜると仕上がりがきれいですよ」と、minokamoさん。さらに「やさしい味わいなので、しっかり味をご希望の方、もしくはおかずなくそれだけで食べる方は、塩を小さじ1にしても」とのアドバイスも。
そんなこんなで、あっという間に消費完了。
「いえいえ、まだ余ったオイルの使い道もありますってば」と、minokamoさん。
「このまま、ドレッシングに使っていただけたら。トマトのうまみがオイルに十分染み込んでいるので、塩と酢、だし粉を適量加えるだけでいいですよ」
と最後まで抜かりのない、もったいないレディのminokamoさんでした。
minokamoさん
岐阜県美濃加茂市出身。 料理家、写真家。 「ごはんで町を元気に!」をテーマに、各地でその土地に根差したメニュー開発、キッチンプロダクトのフードコーディネート、雑誌へのメニュー提案ほか、各世代がつながるイベントも開催。 味噌料理も得意とする。
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